【形容詞】格変化とアクセント

1.「形容詞」は、名詞の性・数・格に一致させる(定冠詞と同じ)

  —— 「名詞」はそれぞれ「性」が決まっているので「単数・複数」2列の格変化

  —— 「形容詞」はさらに、名詞の性(3列)によって格変化し、計6列の格変化

  —— 男性と中性の「属格」「与格」は同型になる(ギリシャ語の特徴)。

  【注意】 一方、動詞は「性」「格」には依存せず、主語の「数」「人称」のみで活用する

(1)第1・第2変化形容詞

 1)「ος – η – ον」タイプ

  —— 名詞の第1変化「ος-ου」「ον-ου」と第2変化η-ηςを組み合わせた格変化をする

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格-ος-ον-οιαι
対格-ον-ην-ον-ους-ᾱς
属格-ουης-ου-ων-ων-ων
与格-ῳ-ῃ-ῳ-οις-αις-οις
奪格
呼格

 2)「ος – ᾱ – ον」タイプ

  —— 名詞の第1変化「ος-ου」「ον-ου」と第2変化ᾱ-ᾱς」を組み合わせた格変化をする

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格-ος-ᾱ-ον-οιαι
対格-ον-ᾱν-ον-ους-ᾱς
属格-ουᾱς-ου-ων-ων-ων
与格-ῳ-ᾳ-ῳ-οις-αις-οις
奪格
呼格

2.「形容詞」のアクセント

   —— 「男性・単数・主格」基準にして、アクセントの制限規則を格変化全体に当てはめる。

   —— つまり、修飾する名詞が、女性や中性であっても男性のアクセント変化に従う

   —— 第1変化の女性・複数は同形で、属格特有の曲アクセント「-ῶνは強制されない。

1)δίκαιος, -ᾱ, ονdikaios、「公正な〜」

  —— 男性・単数・主格が、語末から3音節目鋭アクセントを持つ場合制限規則(1)

    【制限規則】語末音節が長母音・二重母音に格変化すると

     —— 全性で、語末から3音節めに付くとはできず、2音節目に移動する

     —— 女性・複数・属格に特有の語末の曲アクセントはない(1語1アクセントの原則)

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格δίκαιοςδιαίδίκαιονδίκαιοιδίκαιαιδίκαια
対格δίκαιονδικαίνδίκαιονδικαί ουςδικαίᾱςδίκαια
属格δικαίουδικαίςδικαίουδικαίωνδικαίωνδικαίων
与格δικαίδικαίδικαίδικαίοιςδικαίαιςδικαίοις
奪格
呼格

     

2)θεῖος, -ᾱ, ονthe˜ios、「神のような〜」

  —— 男性・単数・主格が、語末から音節目曲アクセントを持つ場合制限規則(2)

    【制限規則】語末音節が長母音・二重母音に格変化すると

     —— 全性で、曲アクセントが鋭アクセントに変化する。

     —— 女性・複数・属格に特有の語末の曲アクセントはない(1語1アクセントの原則)

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格θεῖοςθείθεῖονθεῖοιθεῖαιθεῖα
対格θεῖονθείᾱνθεῖονθείουςθείᾱςθεῖα
属格θείουθείᾱςθείουθείωνθείωνθείων
与格θείθείθείθείοιςθείαιςθείοις
奪格
呼格

     

3)σοφός, -ή, -όν :sophos、「賢い」

  —— 男性・単数・主格が、語末に鋭アクセント持つ場合

  【男性名詞特有のアクセント変化】

   —— 全性の属格と与格で鋭アクセントが曲アクセントに変化する(P31)

   —— 女性形も中性形も変化する。制限規則は関係ない

   —— つまり、女性・複数・属格に特有の曲アクセントではない

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格σοφόςσοφά [ᾱ]σοφόνσοφόισοφάισοφά
対格σοφόνσοφάν [ᾱ]σοφόνσοφούςσοφάς [ᾱ]σοφα
属格σοφοῦσοφᾶςσοφοῦσοφῷνσοφῷνσοφῷν
与格σοφσοφσοφσοφοῖςσοφαῖςσοφοῖς
奪格
呼格

     

4)ἴσος, -η, -ον :hisos、「等しい」

  —— 男性・単数・主格が、語末から2音節目に鋭アクセント持つ場合

  【ギリシャ語共通】

  —— 現状維持の原則全性でアクセントの変化はない

単数複数
男性女性中性男性女性中性
主格ἴσοςἴσηἴσονἴσοιἴσαισα
対格ἴσονἴσηνἴσονἴσουςἴσᾱς σα
属格ἴσουἴσηςἴσουἴσωνἴσωνἴσων
与格ἴσἴσἴσἴσοιςἴσαιςἴσοις
奪格
呼格

3.その他

1)名詞と形容詞の築地と相違

—— 名詞と形容詞は、基本的に同じ格変化をする

—— ただし、第一変化名詞の複数・属格は必ず、「-ῶν」となるが形容詞はならない

2)男性と女性の区別のない形容詞:「ος-ον」タイプ

—— 女性形も男性形と同じ格変化をする

  • ἄδικος,-ονodikos、「不正な」 
  • παράνομος,-ον :paranomos、「法に反する」 
  • εὔπορος,-ονheuporos、「容易な」 
  • βάρβαρος,-ονbarbaros、「法に反する」 

  —— このタイプの形容詞には、「合成形容詞」多い

  • ἄδικος,-ονadikos、「不正な」
    • 接頭辞 「-ἀ」)(欠如を表す)+ 名詞「δίκη」(正義)
  • εὔπορος,-ονheuporos、「容易な」
    • 副詞「εὔ」(良い仕方で)+ 名詞「πόρος」(通り道)