1.定冠詞(形容詞の一種)は、名詞の性・数・格に一致させる
—— 「名詞」はそれぞれ「性」が決まっているので「単数・複数」2列の格変化
—— 「定冠詞」「形容詞」は数に加えて、名詞の性(3列)に合わせ、6列の格変化
—— 男性と中性の「属格」「与格」は同型になる(ギリシャ語の特徴)。
—— 動詞は「性」「格」には依存せず、主語の「数」「人称」「時制」によって変化(活用という)
| 単数 | 複数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 女性 | 中性 | 男性 | 女性 | 中性 | |
| 主格 | ὁ | ἡ | τό | οἱ | αἱ | τά |
| 対格 | τον | τήν | τό | τούς | τάς [ᾱ] | τά |
| 属格 | τοῦ | τῆς | τοῦ | τῶν | τῶν | τῶν |
| 与格 | τῷ | τῇ | τῷ | τοῖς | ταῖς | τοῖς |
| 奪格 | ||||||
| 呼格 | ||||||
2.表記法と発音
—— 男性と女性の主格だけは、「h」の発音で、単数「ho」「he」、複数「hoi」「hai」
—— τάς [ᾱ]:長母音のマクロン記号とアクセント記号(気息記号)の混在は煩雑になるため横に [ᾱ]
—— τό、τά、τούς、τήν、τάς [ᾱ]:語末が鋭アクセントなので、後接語の重アクセントに変化(P16)
→ τὸ、τὰ、τοὺς、τὴν、τὰς [ᾱ]
3.定冠詞の意味
- 特定:「その〜」、特定の名詞を示す
- 総称:「〜というもの」、一般的に既知の名詞を示す
- 抽象名詞:物理的には存在しない物を示す、平和、真実、性質
- 名詞化:他の品詞(形容詞、副詞、動詞、前置詞句の名詞)などに付けて名詞にする
- 冠詞だが名詞の前につかない。前置詞の前について名詞化もあり(〜にいる人たち)
—— 基本は英語の「the」、相手にとって既知のもの
—— ギリシャ語には不定冠詞「a」に該当する単語はない
→ 不特定・未知の「ある〜」は、名詞のみ、又は不定代名詞(P89)で表現する
—— 定冠詞を性、数、格の使い分けると、他の品詞で多様な表現が可能
—— ギリシャ語の定冠詞は元々、指示代名詞(this, that, it, など単独使用)だった
