点訳研究

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読み手不在の点訳 ー実例編5

先日書いた記事、読み手不在の点訳 ― 実例編4の続きです。ライトハウス——その後結局、ライトハウスの点訳講習は、案内文を読んで「これは自分のやりたい方向とは違う」と感じ、辞退することにしました。ただ、お詫びのメールを送った際に、ダメもとで「...
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点訳研究|「左」とはどこ?

右手首シャーロック=ホームズの「赤毛連盟」の中のホームズのセリフで、次のような1節がある。あなたの|右手首の|すぐ|上に『点訳の手引き』によれば、複合語内部で区切って書くのは、3拍以上の意味のまとまりが2つ以上ある場合である。したがって、「...
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点訳研究|翻訳テクニック

ハイブリッドラボでは翻訳と点訳を並行した同時作業として翻訳しています。市販の文庫本は、翻訳者も点字にすることまで意識して翻訳してないと考えるのは自然だと多います。しかし、翻訳と点訳を同時にやると、ちょっとした翻訳の工夫で、点字にした場合の読...
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暫定基準|3文字漢字

3文字漢字は4字漢字と違って、続け書きするか切れ続きか悩むケースが多い。そこで、点訳者の便宜のために、ハイブリッドラボ流で、形式的な暫定基準を定める。今後、事例を集めることにより、『点訳の手引き』にビクビクしないラボ流の基準として耐えうるか...
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3層フレームの第3層の具体的適用

点訳する際は、まず3段階基準を使うが、迷ったときは、3層フレームの第3層に照らして最終判断する(3層フレームについてはこちら💁‍♂️)原則として自立語と助詞・助動詞は続け書くが、未知の固有名詞・制度名・地名・会社名など、明らかに「読み手にと...
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点訳手引きの「ぶつ切り」とラボ流の自然な感覚

点訳の手引きには、「楽しみに|して|いる」といった具合に、品詞ごとに細かく区切るような指示が見られます。公式の理由は「意味の明確化」「誤読防止」。確かに文法的に見れば、「して」は動詞「する」の連用形、「いる」は補助動詞。どちらも「動詞」であ...
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「ルール(規則)」か?「基準(ガイドライン)」か?

ラボ流「3段階基準」の位置付け「3段階基準」は、読み手優先で柔軟に運用することを目的にしています。それは「ルール(規則)」ではなく、「基準(ガイドライン)」です3段階基準についてはこちら💁‍♂️「ルール」と言ったときの響き絶対的に守らなけれ...
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ラボ流『3層フレーム』と『3段階基準』

位置づけ日本点字表記法:点訳の憲法(全体を律する最高規範)3層フレーム:憲法の理念を実務に落とし込む、点訳判断の枠組み3段階基準:具体的に運用するための細則3層フレーム(点訳判断の大枠)第1層:文節分かち書き(日本点字表記法 第1の原則「分...
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点訳研究|『て』は活用語尾か助詞か?

「見てくる」の分かち書き『点訳の手引き』「て」=接続助詞。「見て|くる」と区切る。ラボ流 —— 『基礎日本語文法』に依拠「て」=活用語尾。「見てくる」は「動詞+補助動詞」として扱い、5拍なので続け書き。→見てくるポイント『テ形』の複合動詞は...
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3層フレーム と 3段階基準 も整理

📑 ラボ流の2つの基盤ルール🔹 3層フレーム(文を3つの層でとらえる)拍数の層 → 文節を 5〜7拍ごとに区切るリズムの基本。意味の層 → 文節内部で「意味の独立性」を考慮し、必要なら切れ続き。語彙・文法の層 → 辞書に立っている複合語・補...
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読み手不在の点訳 ― 実例編4

「ライトハウスの案内文」をきっかけに、ラボ流との違いを浮かび上がらせる― 案内文を読んで先日、某ライトハウスから「点訳ボランティア講習」の案内文が届きました。そこには、点字の歴史や「辞書で調べて正しく仮名に置き換える忍耐力」「国語文法との格...
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長音符|[2][5]の使い方

前提とする区別 ⠅これら3つの言葉の使い方を間違うと、点訳の学習時に混乱しますので いまどきはAIあるので、さっさと調べました。長音:表音式、話し言葉で伸ばす音のこと長音符:点字で使う記号のこと長音記号:表語式、「ー」のことこの言葉の違い、...
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基本用語の整理(点字表音式の前提)

1. 和語(わご)日本固有の言葉(大和言葉)。例:山(やま)、川(かわ)、赤い、通る、大きい。多くは訓読みをあてる。点字:母音連続(とおる/おおきい)は「トオル」「オオキイ」と母音2字で書く。2. 漢語(かんご)中国から漢字とともに伝わった...
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指示詞(コソアド)って何者!?

変幻自在の指示詞(コソアド)の正体日本語の指示詞は、語頭がこ(近称)/そ(中称)/あ(遠称)/ど(不定・疑問)にそろう「コソアド系列」でまとまる。一つの系列であっても機能や状態ごとに品詞が異なるグループ、「代名詞」「連体詞」「副詞」が並列し...
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「ハイブリッド点訳」は効率がいい!

ハイブリッド、つまり、翻訳と点訳を同時に行うとすると、まずは、必ず日本語をテキストでパソコンに入力することになる。そして、|その|テキストに、|このように、|ひとマス|空けや、|⠼2ます|空けなどを「|」「||」という風に区切っておく。||...
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読み手不在の点訳 ― 実例編3

点字図書室で感じた「目的と手段のすり替わり」趣味として点訳を続ける、自分なりのスタンス先日、点字図書室を訪ねた。私は当初、点訳ボランティアとして活動できればと考え、講習に参加した。しかし、実際に目にした現実は、自分が思い描いていた「読み手の...
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読み手不在の点訳 ― 実例編2

点字図書室でのやりとりを通じて、改めて「読み手不在」という感覚を持ちました。——メアリージョーの続き前回、「メアリー・サザーランド嬢」が点訳では「メアリー|サザーランドジョー」となり、まるで別人名のように読めてしまう――という“誤読”の典型...
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ハイブリッドラボとは?

ようこそ、「ハイブリッドラボ」へ。物語を深く味わうために、翻訳 と 点訳 を同時に行う「ハイブリッドラボ」点字作品は、視覚、聴覚に頼らない「表音式文字」です。実は、そこには、人に伝える新たな文章としての魅力が存在します。表音式文字は、「漢字...
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読み手不在の点訳 ― 実例編1

前回の記事で「点訳の手引きなんていらない!」と書いた。今回は、その理由をもっとわかりやすくするために、具体例をひとつ紹介したい。『赤毛連盟』に出てくるメアリー嬢ホームズの短編『赤毛連盟』の中に「メアリー・ザーランド嬢」という人物が登場する。...
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読み手不在の点訳 ―点訳の手引き!? そんな使い方ならいらない!

点訳を学び始めて、すぐに気づいたことがある。講習で繰り返し語られるのは——「手引きに従うこと」。文法的に分析し、決まりに当てはめろ。——でも、そこに「読み手」はいない。点訳は、机上の演習ではなく、指でたどる読者のためのものだ。読み手がすっと...
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区切りの日

点字図書室を訪ねて先日、点字図書室を訪ねました。そこは視覚障害者とボランティアのための場所であり、市民が趣味として点訳を楽しむ場ではないことを実感しました。少し寂しい思いもありましたが、同時に大切な区切りをつけることができました。点字文庫は...
パソコンとインターネット

点訳研究|6点入力の威力

BESで使う「6点入力」って、普通に使っても便利そうだよね。実は、打鍵に必要なキーの数が数なくて、同時入力が可能な6点入力は、打ち間違いも少なくて速いんだ。えっ? 本当にそうなの?点訳界隈では、こう言われてる。1つ、 日本語の拍(音節)と6...
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点訳者のための三大小型辞書

三大小型辞書とは(ラボ流)点訳の実務では、言葉が慣用的に使われているかどうかを確認する場面が多くあります。そんなときに頼りになるのが、小型国語辞典です。7〜8万語を収録し、机上でも扱いやすく、それぞれに特色があります。ラボ流推薦の点訳で役に...
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点訳研究|形式名詞——基礎日本語文法より

ラボ流では、読み手目線、点訳者の負担軽減のために、「形式名詞」について自然な区切り(ます空け)を実現するため、『点訳の手引き』とは異なる基準を定めています。続け書きの原則形式名詞については、『点訳の手引き』では、『実質的な意味が薄れた名詞(...
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ハイブリッドラボ|具体的な運用手順

翻訳と点訳― 言葉に、もうひとつの形を ―翻訳は、遠い国や昔の時代から届いた言葉を、日本語の文字に置きかえる作業です。そこには、作者の息づかいや、まだ見ぬ景色が潜んでいます。点訳は、その日本語の言葉を指先でたどれる形に変える作業です。点字は...