研究ノート

作品背景

作品背景|田舎のバザーに呼ばれる「プリンセス」——スタイルズ荘の怪事件

プリンセスがオラが村に!?探偵小説の舞台となるイギリスでは、田舎のバザーや慈善行事に「プリンセス(the Princess)」が招かれる場面がしばしば描かれます。現代の日本人が読むと、皇室の姫君(内親王殿下、女王殿下)がそんな場に顔を出すの...
作品背景

🇬🇧作品背景|ホームズはボヘミアン!?ボヘミアとは

ボヘミアンとボヘミアシャーロック=ホームズの物語には「ボヘミア」という言葉が二度登場します。ひとつは『ボヘミアの醜聞』に登場する「ボヘミア王」。もうひとつは、ホームズ自身の性格を形容して使われる「Bohemian soul(ボヘミアン気質)...
点訳研究

指示詞(コソアド)って何者!?

変幻自在の指示詞(コソアド)の正体日本語の指示詞は、語頭がこ(近称)/そ(中称)/あ(遠称)/ど(不定・疑問)にそろう「コソアド系列」でまとまる。一つの系列であっても機能や状態ごとに品詞が異なるグループ、「代名詞」「連体詞」「副詞」が並列し...
研究ノート

翻訳研究|「rôle」 サーカムフレックスとは?——ベンスン殺人事件

サーカムフレックスヴァンダインの原文には、しばしば「rôle」のようなアルファベットの上に記号が現れます。これは、サーカムフレックス記号(^)と言われるものです。現代英語では「role」が一般的ですが、なぜサーカムフレックスがついているので...
研究ノート

翻訳研究|ホームズの大物依頼人への態度

ホームズの態度とその口調シャーロック=ホームズは、どんな相手にも一歩も引かない探偵です。『ボヘミアの醜聞』では、貴族を名乗る依頼人を前にしても臆することなく、冷徹な態度を崩しません。この姿勢を日本語にどう表すかは、ホームズ像を大きく左右する...
翻訳研究

翻訳研究|メグレ警部のプロフィール

出典と設定メグレ警部の名前は、ジュール・アメデ・フランソワ・メグレ(Jules Amedée François Maigret)です。このフルネームは、ジョルジュ・シムノンが書いた『メグレ警部』シリーズの中でも比較的初期の作品群や伝記的章で...
翻訳研究

翻訳研究|フランス語の過去時制の日本語訳

フランス語の過去時制(単純過去・半過去・複合過去・大過去)は、それぞれ時間的な位置関係と**叙述の視点(語りの距離)**を表しています。日本語でも、文体と助動詞の選択を工夫すれば、かなり明確に区別できます。🔹1. フランス語の4つの過去時制...
翻訳研究

翻訳研究|l’Hôtel Van Hasselt.

モナミ普通に「ヴァン=ハッセルト=ホテル」じゃダメなのか?ここは「ホテル」と訳さない方が、作品の現実に合っています。理由は語感ではなく、時代・土地・社会階層です。 原文の Hôtel は「現代的ホテル」ではないフランス語の Hôtel は、...
翻訳研究

翻訳研究|鈍感すぎるヘイスティングス(ネタバレあり)

アガサ・クリスティ、『スタイルズ荘の怪事件』の登場人物には、その家族の愛情関係も何げに推理の手掛かりとなっている。その一つが、被害者の女主人が、なくなった友人から預かっていた孤児の『シンシア』と、次男『ローレンス・キャヴンディッシュ』の恋愛...
ハイブリッドラボ

翻訳研究|自分には敏感すぎるヘイスティングス(ネタバレあり)

アガサ・クリスティ、『スタイルズ荘の怪事件』に出てくる、ヘイスティングスの恋愛問題の続きです。今回は、鈍感なヘイスティングスではなく、敏感なヘイスティングス、いや、自分のことには敏感すぎるヘイスティングスというのでしょうか💦お相手は、友人で...