研究ノート

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🕵️‍♂️作品背景|ベルティヨン式人相記録 —— 科学が「顔」を測った時代

ベルティヨン式人相記録とは十九世紀の末から二十世紀初頭にかけて、ヨーロッパの警察は「個人を科学的に識別する」新しい方法を手に入れた。それが、ベルティヨン式人相記録(le système Bertillon) である。アルフォンス・ベルティヨ...
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作品背景|エトワール・デュ・ノール「北極星号」

エトワール・デュ・ノール「北極星号」ジョルジュ・シムノン『怪盗レトン』(1931)の中で、警視メグレが受け取る三通目の電報に、一つの列車名が登場する。Pietr-le-Letton embarqué compartiment G.263, ...
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作品背景|ポワロとメグレ──通信の時代に生きる二人の探偵

〜クリスティが書かなかった「POLCOD」〜1930年代、ヨーロッパではすでに電報と電話が社会の神経のように張りめぐらされていた。その中で、二人の名探偵――エルキュール・ポワロとジュール・メグレ――は、まったく異なる「通信の世界」に生きてい...
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作品背景|polcodとは?── 国際警察の秘密コード

polcod(ポルコード)メグレ警視『怪盗レトン』作中で、「polcod(ポルコード)」という言葉が出てきます。Maigret attira vers lui un second télégramme, rédigé lui aussi e...
作品背景

🇩🇪作品背景|ピカピカの発電所!?

1930年前後のヨーロッパにおいて、発電所(centrale électrique)=ピカピカの近代文明の象徴だった。シムノンが『サン=フォリアン教会の首吊り男』の死体安置所でのイメージを用いたのは、まさに「合理的で整然とした無機質さ」を示...
作品背景

🇩🇪作品背景|二つの戦争とブレーメンの近代化

謎の男が自殺したドイツの都市『ブレーメン』メグレ警視シリーズの『サン=フォリアン教会の首吊り男』の舞台は、第1次大戦後の北ドイツの『ブレーメン』である。敗戦国ドイツはインフレによって国民は困窮し、労働者は国境を超えて賃金の高いオランダに仕事...
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点訳研究|リズムか文法か

気づいていたのだ。ラボ流では、8拍なので、どこかで区切らなければなりません。もちろん、8拍でも無理に区切ることはせず、文章の「意味のまとまり」を優先して、全て続けて書くことも考えられます。点訳者としては、その方が楽かもしれません。しかし、文...
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点訳研究|「のだ」「のである」の前で区切ってみようか!?

明鏡国語辞典に「のだ」と言う見出しがありました。ラボ流の原則「連語の内部では区切らない」=「区切る場合はその前で区切る」に基づけば、かなり乱暴な区切り方になります。しかし、文節分かち書きで長い文節で困ったときに、慣れてくれば読み手も点訳者も...
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🇫🇷作品背景|1930年頃のフランスの反体制運動

Il ne parle que le français et il n’y a guère de conspirateurs en France, ni même d’anarchistes militants !「だが|やつは、|フランス...
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点訳研究|補助動詞と純粋動詞、「する」「いる」など

基本原則(7拍基準)ラボ流では、7拍以内であれば「する」「いる」「ある」「おく」は前の語と続けて書くことを基本にしています(補助動詞、純粋動詞に限らず7拍基準を順守)。この理由は、これらの動詞は、補助動詞の意味を持つことや、2拍で成立してい...