使用人「カーリー」の肩書き
カーリーの紹介文に「仕え人(servant )」「執事(butler)」「従僕(valet)」「家令(major-domo)」「料理番(cook)」という聞いたこともない肩書きがゾロゾロ並んでいる・・・スーパーマンですか?
As I was ushered into the living-room that morning by Currie, a rare old English servant who acted as Vance’s butler, valet, major-domo and, on occasions, specialty cook,・・・
その朝、|カーリーに|導かれて|部屋に|入った。||カーリーは古風な英国の使用人で、執事でもあり、従僕でもあり、家令でもあり、ときには料理番までつとめる、めったに見ぬ多才な男だった。
「servant」は一般的に「使用人」でいいとして、あとは「執事」と「料理番」が分かるくらいです。ほかはそもそも何する人?
カーリーの肩書き
1.執事(butler)〜しつじ
- 大邸宅の主人に仕える家事使用人の長。
- 主に食卓やワイン、応接室を取り仕切る役。
- イギリスでは「butler」が最も格式高い使用人職。
2.従僕(valet)~じゅうぼく
- 主人個人に付き従う身の回り係。
- 主に服の仕立て直し、靴磨き、身支度の世話など。
- 現代でいえば「専属付き人」「身の回りの執事」に近い。
3.家令(major-domo)〜かれい
- 家全体を管理する大番頭のような存在。
- 使用人全員を束ね、家事や財産管理を取り仕切る。
- 日本の武家屋敷なら「家老」、商家なら「番頭」に近い役割。
4.料理番(cook)
- 台所を任される責任者。
- 大きな屋敷だと、執事や家令と並ぶ重要な使用人。
カーリーは、これらを全部こなしていたわけですから、
単なる「執事」ではなく、一人で一家のすべての雑務を背負っていた古風な英国の使用人というイメージになります。
分かりやすい言い方
しかし、「従僕」「家令」「料理番」という言葉は漢字としても古風すぎて、点字で読んだときには意味がさっぱりだと思います。
もう少し現代的でわかりやすい言い換えを考えてみました。
従僕(valet)
- 原義:主人に付き従う、身の回りの世話係。
- 言い換え候補:
- 「主人付きの召使い」
- 「身の回り係」(採用)
- 「専属の世話係」
家令(major-domo)
- 原義:屋敷全体を仕切る使用人の長。
- 言い換え候補:
- 「屋敷の管理人」(採用)
- 「使用人たちを束ねる番頭」
- 「執事長」
料理番(cook)
- 「台所係」
- 「料理係」
- 「調理担当」
- 「食事の世話までもする」(採用)
最終的に
つまりカーリーの紹介文は、こう置き換えると分かりやすくなりました!
カーリーは、古風な英国の使用人で、執事でもあり、主人の身の回り係でもあり、屋敷の管理人でもあり、ときには食事の世話までした。

