作品背景|ギルダー?フローリン?

作品背景

― Vier gulden.…

「4ギルダー。」

Quatre florins! Quarante francs! Ses yeux rigolaient toujours.

4フローリンだ!||40フランだ!
それでも、|彼の|目は|相変わらず|笑っていた。

ギルダーとフローリン、どっちもオランダの通貨?何が違うの?

違いはありません。呼び名が違うだけで、同じ通貨です。


ギルダーとフローリンは同一通貨

  • gulden(フルデン)
    → オランダ語の正式名称
  • guilder / florin
    → 英語・国際的呼称
  • 日本語では慣習的に
    • ギルダー
    • フローリン
      と両方が使われてきました。

👉 4ギルダー = 4フローリン


なぜ二つの言い方があるのか

語源の違いです

  • gulden
    → 「金の(gouden)」に由来
  • florin
    → 中世イタリアの金貨 fiorino に由来
    → ヨーロッパ各地で共通貨幣名として流通

つまり、

  • 国内・現地感覚 → gulden
  • 国際・換算・説明 → florin

作中での使い分けの意味

本文ではこうなっていますね:

  • Vier gulden.…
  • Quatre florins ! Quarante francs !

ここが肝です。

  • gulden
    → オランダ人同士の感覚
  • florins / francs
    → メグレ(外国人)向けの換算・誇示

👉 通貨の違いではなく、話し相手への言い換え


まとめ(短く)

  • 通貨は同じ
  • 名前が違うだけ
  • シムノンは、言語と距離感を描いている

数字よりも 人間関係の描写 なんです。だから両方書いてある。