点訳研究|形式名詞と補助動詞の判断

形式名詞と補助動詞はどうやって区別するのか。実は、辞書には一つの品詞として明確に区別されていません。
したがって、『点訳の手引き』では、それぞれ、一つの意味を持った「名詞」「動詞」という「自立語」として分かち書きす流こととしています。

形式名詞や補助動詞は、その言葉自体が独立した意味を持たず、修飾する要素があってはじめて意味をなすものです。
よって、ラボ流では、形式名詞や補助動詞は前の言葉と続けて書くことを原則とし、8拍以上になったときは区切ること許容するということにしてます。

ただ、同じ言葉でも独立した意味を持つものと持たない言葉が存在します。
それは純粋名詞と形式名詞、純粋動詞と補助動詞として区別されます。

ラボ流では、一見、形式名詞や補助動詞であっても、文脈上、純粋名詞、純粋動詞であれば、7拍以下でも自立語として前の語と区切って書くこととしています。
「助詞」に続く言葉であれば純粋名詞、純粋動詞として独立した自立語と判断できます。

「その前で」「食べる前に」→ 形式名詞、続け書き
「学校の|前で」→純粋名詞、分かち書き

「あの時は」「・・・する時に」→ 形式名詞、続け書き
「地震の|時は」→ 純粋名詞、分かち書き

そのほか、「・・・の|訳は」「・・・の|ことは」「・・・の|ものは」「・・・の|方へ」など。