🇫🇷フランス語|形容詞に -ment をつけると副詞になるのか?

フランス語副詞形成の「本当の仕組み」

フランス語を学び始めると、必ず聞くのが「形容詞に -ment をつけると副詞になる」という説明です。

これは おおむね正しい のですが、実際にはもう少しだけ整理が必要です。
ここでは、翻訳をしていて迷わないよう、フランス語の副詞形成を「最短で」「正確に」まとめます。


原則:形容詞の 女性形 + -ment

フランス語では、多くの副詞が

女性形の形容詞 + -ment

で作られます。

例:

  • lente → lentement(ゆっくり → ゆっくりと)
  • sérieuse → sérieusement(まじめな → まじめに)
  • naturelle → naturellement(自然な → 自然に)

ポイントは、「男性形ではなく、女性形につける」ということ。


男性形につく例外(母音で終わるもの)

語尾が母音で終わる男性形は、そのまま -ment を取ることがあります。

  • vrai → vraiment(本当に)
  • absolu → absolument(絶対に)

「女性形にしなくても音が滑らかに出る」ためです。


特殊:-ant/-ent で終わる形容詞

このタイプは 音の都合で形が変わる ため要注意。

  • constant → constamment(絶えず)
  • évident → évidemment(明らかに)

つづりは違っても、音は ɑ̃ 系または ɑ̃mɑ̃ 系になります。


そもそも -ment で作れない副詞がある

学習者が最初にぶつかる壁がこれです。

英語と違い、形容詞から派生しない副詞 が多数存在します。

  • bon → bien
  • mauvais → mal
  • meilleur → mieux
  • pire → pis / pire

これらは 完全に別語として覚える 必要があります。


文中での意味は “英語の -ly” より幅広い

フランス語副詞は、

  • 動詞を修飾
  • 形容詞を修飾
  • 文全体の判断や話し手の態度を表す
    など、多機能です。

例:

  • Il parle lentement.(動詞を修飾)
  • vraiment important(形容詞を修飾)
  • Évidemment, il n’était pas d’accord.(文全体を修飾)

日本語の訳し分けでは、「〜に」「〜と」「〜なのだ」「〜のだ」と柔軟に調整したほうが自然になります。


Simenon を読むときの注意

Simenon(メグレ)は、副詞の配置が非常に独特 です。

  • 感情の強調
  • 文のテンポ
  • 人の“態度”の描写

これらを副詞で細かく調節します。

例:

  • vaguement(どこか)
  • doucement(静かに/やわらかく)
  • étrangement(妙に)
  • simplement(ただ~しただけ、というニュアンス)

Simenon のリズムは、副詞の置き方で決まると言ってもよいほどです。

翻訳では、機械的に「〜に」としないで文脈で“効果”を読むことが重要になります。


まとめ(実用最短版)

  • 原則:女性形 + -ment
  • 母音終わり形容詞は男性形で OK
  • -ant/-ent は -amment/-emment
  • bien / mal / mieux / pire などは別語
  • 文全体を修飾する副詞の働きが強い
  • Simenon は副詞の配置が翻訳の要

お望みのテーマをお知らせください。