言語と文法|文の構造——「句」と「節」

「句」と「節」

「句」と「節」の違いは、述語を含むかどうかである

節(せつ)

  • 定義
    • 述語(動詞・形容詞・助動詞など)を含む文の単位。
    • 「雨が降る」
    • 「彼が来たら」
    • 「本を読むとき」
  • 特徴
    • 文の中で「主語+述語」という構造を持つ。
    • 独立して一つの文になることも多い。
    • 上位の文に含まれて複文をつくることがある(従属節・主節)。

句(く)

  • 定義述語を含まないまとまり(文節の集まり)。
    • 「青い空」
    • 「駅の前で」
    • 「昨日の夕方」
  • 特徴
    • 主語や述語がなく、それだけでは文にならない。
    • 名詞句・動詞句・形容詞句など、修飾や補足の役割を持つ。

まとめ

単位述語独立性自立語役割
必ず含む(主語+述語)なる必ず含む「雨が|降る。」完全な意味を持つ最も大きな言語単位
必ず含むなる場合がある必ず含む「雨が|降る|とき」「彼が|来たら」文の中で自然な主語+述語をもつ最小単位
連語含む場合と含まない場合もあるならない含む場合と含まない場合もある「そう|して」「〜て|しまう」「では|ない」決まった形で複数の語が結びついた言い回し・慣用句
含まないならない必ず含む「青い|空」「駅の|前で」文の中で修飾や名詞・副詞的働きをするまとまり
文節含まないならない1語含む(複合語は複数)「青い」「空」「雨が」「降る」文を、意味もつ最小単位に区切ったまとまり

ポイント

  • 「節」= 述語のある小さな文
    • 「複文」や「重文」を分析するとき、「節」同士の関係(並列・従属)を見る。
  • 「句」= 述語のない単位
    • 「句」は「文節」より大きく「節」より小さい単位で、文の中で部品として使われる。
  • 「連語」=意味的に強く結びついており、バラすと意味やニュアンスが変わる語の単位
    • 述語を含むことがあり、慣用句・成句・文型の一部として扱われることが多い。
  • 「文節」は、主に発音や意味の切れ目で分けられ、必ず助詞や活用語の区切りで切られる。
    • 自立語1語を含んで構成されることが多いが、自立語を複数含んだ複合語や、慣用句は2文節を1文節とすることがある。
  • 「文」=述語のある大きな単位