基本用語の整理(点字表音式の前提)

ハイブリッドラボ

1. 和語(わご)

  • 日本固有の言葉(大和言葉)。
  • 例:山(やま)、川(かわ)、赤い、通る、大きい。
  • 多くは 訓読み をあてる。
  • 点字:母音連続(とおる/おおきい)は「トオル」「オオキイ」と母音2字で書く。

2. 漢語(かんご)

  • 中国から漢字とともに伝わった語。
  • 日本に取り入れられて以降の造語も含まれる(例:文化、経済、電話)。
  • 読み方は 音読み が基本。
  • 現代日本語の学術・抽象語の多くは漢語。

3. 字音語(じおんご)

  • 漢語のうち、漢字の音読み(字音)だけで構成された語
  • 「漢語」のサブセットで、「純粋な音読みの複合語」と理解するとよい。
  • 例:学校(ガッコー)、工場(コージョー)、経済(ケイザイ)、文化(ブンカ)。
  • 点字では表音式の対象として扱われ、長音符 ⠒ を用いることがある。

4. 音読み

  • 漢字を中国音に基づいて読む読み方。
  • 字音語・漢語の基本要素。
  • 例:学(ガク)、校(コー)、経(ケイ)、済(サイ)。

5. 訓読み

  • 漢字を日本固有の言葉(和語)にあてて読む読み方。
  • 例:山(やま)、川(かわ)、行(いく)、食(たべる)。
  • 和語の側に基づく読みで、表音式長音符は基本使わない。

6. 表音式表記

  • 漢字を使えない点字で特に必要な方式。
  • 「発音に即して書く」ことを重視するが、
    慣習的に残す形(えい/ヲなど) もある。

表音式の代表例

  • 字音語のおう → オー(長音符 ⠒)
     例:工場(こうじょう)→ コージョー
  • 助詞「は」 → ワ
  • 助詞「へ」 → エ
  • 助詞「を」 → 例外でヲ保持
  • 字音語のえい → エイ(慣習的に保持)
     例:訂正(ていせい)→ テイセイ
  • 和語で慣用的に長音化 → 長音符 ⠒
     例:そうする → ソースル、しましょう → シマショー

全体像まとめ

  • 和語(訓読み系) → 母音連続は「オオ/トオ」と書く。長音符は使わない。
     ただし「慣用的に長音化したもの」は表音式で ⠒ を使う。
  • 漢語(字音語)(音読み系) → 「おう」は ⠒ で「オー」に、「えい」は「エイ」のまま保持。
  • 表音式表記 → 点字において必須の方式で、慣習(えい/ヲ保持)と慣用(オー化)を組み合わせてルール化。