アガサ・クリスティ(Agatha Christie, 1890–1976)
生涯
- 1890年、イングランド南西部デヴォン州トーキーに生まれる。裕福な家庭で育ち、独学で文学に親しんだ。
- 第一次世界大戦中、薬剤師助手として従事し、毒物の知識を得たことが後の作品に大きく影響した。
- 1914年、飛行士アーチボルド・クリスティと結婚。1920年に『スタイルズ荘の怪事件』でデビュー。
- 1926年、失踪事件(11日間行方不明)が大きな話題となる。
- 1930年、考古学者マックス・マローワンと再婚。中東の発掘調査に同行し、その経験を複数の作品に活かした。
- 1976年、85歳で死去。
文学的特徴
- 周到なプロット構成と「意外な犯人」によるどんでん返し。
- 医療・薬学知識を背景にした毒殺の多用。
- 語り手の信頼性を揺るがす実験(例:『アクロイド殺し』)。
- 英国社会における階級意識や人間関係の鋭い観察。
主な作品
- 長編小説
- 『スタイルズ荘の怪事件』(1920) – ポワロ初登場作
- 『アクロイド殺し』(1926)
- 『オリエント急行の殺人』(1934)
- 『そして誰もいなくなった』(1939)
- 短編集
- 『ポワロ登場』(1924)
- 『ミス・マープルの事件簿』(1932)
- 戯曲
- 『ねずみとり』(1952) – 世界最長のロングラン公演記録
主要キャラクター
- エルキュール・ポワロ
ベルギー出身の名探偵。几帳面で論理的。世界的に最も愛される探偵の一人。 - ミス・マープル
セント・メアリ・ミード村に暮らす高齢女性。鋭い観察力と洞察で事件を解決。
影響と評価
- 総発行部数は20世紀の作家として最多級で、聖書やシェイクスピアに次ぐ規模。
- 推理小説を大衆娯楽の域から文学的研究対象に押し上げた。
- 作品は100以上の言語に翻訳され、映画・ドラマ・舞台として繰り返し再生産されている。
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